三つ子の魂

ayameusui2006-07-15


冗談で、「もし男に生まれていたら、歌舞伎役者だな〜。」なんて、言ったことがある。今だから、"冗談"で済ませられるけど。

小学校の卒業文集です。証拠写真。字がのたくっているので(笑)読み取ってみると。
「(もし男の子になったら)かぶき座に入って女形をする。 か 研究してどうして男になったかつきとめる。そして、学会に発表する。
二つもやりたいことがあって、ぜいたく☆もちろん門閥のこととか何も知らない子どもの発想です。「かぶき”座”に入りたい」ですからね。でも「研究する」も含め、どちらも今の私と一本通じているものがあるというか。不思議なものです。

ちなみに、他の子達の答えは「かっこよくなりたい」「ちゃぶ台返しをやってみたい」などなど。逆の質問をされた男の子の大半が「絶望する」「死ぬ」とあるのに、びっくり。


今、舞台で活躍していらっしゃる若手の役者さんの中には、私と同年代で、国立の研修所出身の方が何人か。私にとっての「もし」を本当にした方達。
私は彼らに訊きたい。「どうして?」と。小学校で机を並べて、取っ組み合いでけんかをしたかもしれない同年代の彼らに。そして、私の生徒(今は教えていないけれど)と同じ十代の半ばにいた少年たちに。


もし男だったら(または女でも歌舞伎への門戸が開かれていたら)、小さい時からお家に入って修業、というのは可能性がほぼないとして、私はその道を選んでいただろうか?




答えはたぶん…「NO」だろうな。もしそうならば、歌舞伎でなくても舞台とか、伝統芸能とか、勉強する道を選んだだろうから。
私は、自分の居場所を決める時を、"今"まで延ばした。