母と日本文化の”テンポ”

お正月に、母が着物を着せてくれることになった。正確には、帯を結んでくれることになった。着物を着られることも嬉しいが、母が着せてくれることはもっと嬉しい。というより、母が着せようとしてくれることが嬉しい。
母は、どちらかと言うと日本の文化*1などは”苦手”な人だった。中学校の文化祭で浴衣を着ることになったときも「おばあちゃんに教わって来なさい。」、大学の卒業式でも「私わからないから、必要なものは自分で揃えなさい。」そんな感じだった。それが何がきっかけでだか着付けを習い始め、今では着物を着て仕事をしている。修了式で振袖が着たいと言ったら、着付けの先生に朝早く来ていただけるようお願いまでしてくれた。そして今回はお正月に栄えるような帯結びを習ってきて、ほぼ毎日練習してくれている(モデルの私も疲れるけれど、着付けの練習にもなるから・・・)。
着物や小物をお手入れしたり、色を合わせてみたり、ていねいに着付けをしたり、立ち居振る舞いに気をつけたり。そんな余裕が、母にできてきたのかな、ふとそんな風に思った。私や父のために時間に追われて、わずかな時間を好きな演奏会につぎ込んで(?)、言ってみれば日本の文化は母の生活とテンポが合わずにいたのかもしれない。そんな風に思うと、とっても嬉しい。
考えてみれば私の参加するお茶会にも来てくれたし(あまりに時間がゆっくり流れていて、眠りそうだったと言っていたが)、B反市で一式揃えてくれたり。決して、関心がないわけではなかったのだ。
とは言っても。まだ、歌舞伎やお能やお茶会に誘うと「それはちょっと勘弁して!」と悲鳴を上げられてしまう^^;

*1:日本、とか西洋、とか分けること自体間違っているのかもしれないけれど