十二月大歌舞伎 夜の部

『神霊矢口渡』

  • これは…祟られそう。帰りに思わず、お稲荷さんの外から手を合わせてしまった。
  • 家の中には、よく見えないけれど神棚があったようだ。
  • 菊之助さんお舟が可愛すぎる! 相手に気のない濡れ場より、クドキにはドキドキもの。声の調子も戻っていらしたようだし、お軽の時のような声が出過ぎる感じがなくて素敵だった〜。
  • 刺されてからの捌いたかみの振り上げ方が豪快すぎてちょっとな、という所が何度か。でもさすがに、噸兵衛にトドメをさされそうになっての海老反りでは、喉から胸までが長くて、色っぽすぎた。
  • span style="color:#FF66CC;">噸兵衛はあれだけ家を壊してしまっていいのかしら、、、と思うほどの暴れよう。かえって、すっきりします。
  • 最後、舞台が半分だけ廻って上手全体が水になる。これは川? だと思うのだが、海のようでそのスケールの大きさを想像して声を上げてしまった。
  • どの小道具ひとつとっても、無駄なものはないんだな、とあらためて。本筋とは関係ないような動きのために、わざわざ黒衣さんが小道具を置きに出られるのだから。
  • 狂言の見せ場、多彩な合方を楽しめる美味しいお芝居、そして初めて水衣さんを目にし、これも楽しかった。他にも、楽しい仕掛けどころ満載。


『出刃打ちお玉』

  • 菊五郎さん目当てで行った・・・のだけれど、田之助さんのエロじ・・・いえ、お坊様を微笑ましく眺めてしまいました。オペラグラスを忘れていったのが残念。女形の時はやはり、衣装が捌きにくくていらっしゃるのかな。
  • 歌江さん、ものすごく楽しみにしていたのだが二言三言のお役、しかも二階座敷の窓からだったので、幕見からはよく見えず。他にも友右衛門、右之助さん、亀三郎さんなど一瞬のお役多し。松也さんは、台詞なかったような気が・・・。でもどなたも、見られただけで嬉しい
  • 梅玉さんは、先月の*1イメージで見ていたらずいぶん小柄でいらっしゃるのだ、と驚いた。黙っていてもにじみ出てくるような、明るい色気が好きだ。お玉に着せ掛けられる小豆色(たぶん、女物)の半纏がよく映える。
  • お客をとるお商売とはいえ、ふわあっと色香の漂ってくるような菊五郎さんお玉。”って感じ。25でしょ? 男を知って3年って言ったよね? 姉さんは・・・ずるい*2。”
  • 仇討ち場面は、背景の田んぼと樹に少しずつ陽があたっていくのが美しい。西洋画のようだ。色の付いたライトとか照明に偏った演出は苦手なのだけれど、あれは良かったな。
  • 菊五郎さんお玉の台詞でお芝居が進んでいくような印象。男の声なのだけれど美しく響く台詞を聞いているうちに、つくづく先月の政岡は語らないお役だったのだな、と思う。唯一あるのがクドキの場面。今月、仇討ちの後で正蔵にい「よかったね、よかったね。」とかける声を聞いてふと「でかしゃった。。。」がよみがえって来そうになって、あわてて打ち消した。こんなところでお芝居のリンクはしたくない。
  • 廻り舞台、反転の中でもきちんと縁から降り、草履を履きなおす丁寧な舞台が大好きだ。

*1:国立劇場。そういえば、入り口で「ここでは忠臣蔵やってないの?」と訊いているおじさまがいたなぁ。

*2:c:サントリー ウーロン茶